気ままに趣味旅行

面白いコト「拡がる/拡げる」

中野にある昔ながらのラーメン屋「中華そば青葉」

どうもhiroakiです。

 

寒くなってきましたね。

寒いとラーメン、食べたくなってきますよね(笑)

ある日、私は中野区を歩いていました。寒い中歩き疲れたところに、食欲をそそられる良い匂いが。

顔を上げると、なんともレトロな建物。たくさんの迷えるサラリーマンたちが明かりの中に吸い寄せられていきます。

f:id:hiroakies4463:20181113124234j:image

「中華そば…青葉」

聞きなれない名前です(失礼)。

外の券売機には「中華そば」「特製中華そば」「つけ麺」「特製つけ麺」の4種類のメニューが。

気づけば私はのれんの先へ足を踏み入れていたのでした。

 

のれんをくぐると、そこは劇場でした…

「いらっしゃい」

ぐるりと囲まれた調理場の向こうから、従業員が迎えてくれます。

「ご注文は?」

f:id:hiroakies4463:20181113124225j:image

洗練された調理器具。麺のゆで時間は1秒のズレも許されない。店員の無駄のない動き。

店内のあまりの美しさに、しばらく私は呆然と見とれていました。

「…分かるよ」

えっ?

隣で中華そばを啜っているお客さんが話しかけてきたのでした。

「…あんたの気持ち」

私は早口で反論します。

「私の気持ちなんてあなたに分かるわけが…」

「だったら…」彼は箸を止めて、「あんたの手に握りしめてる切符は一体なんなんだ?」

私はゆっくりと自分の手の平を開きます。そこには思わず握りしめていた切符が、くしゃくしゃのまま閉じ込められていたのでした。

「渡してやんなよ、あんたの気持ち」

私は居ても立っても居られない気持ちになります。気づけば店員さんに向かって、自分の気持ちを口に出していました。

「中野に劇場と呼ばれる場所は…

 

…てっきり中野サンプラザだけだと思っていました」

店員は困ったような笑みを浮かべます。

「中華そばひとつですね?」

 

黄金のスープ

切符を渡すと、ものの5、6分でラーメンが運ばれてきます。早い!

黄金のスープは東京ラーメンと九州ラーメンの良さを取り入れたダブルスープなんだと、彼は言いました。

「1996年に創業。昔ながらの心のこもったラーメン。ダブルスープ発祥の店。ミシュランガイド東京にも載ったことがある。それが…」

「青葉ですね」

「そうさ…」彼は私に笑いかけます。「よく分かってきたじゃねえか」

ふと後ろを振り返るといつのまにか行列ができていました。

「おっと。こうしちゃいられねえ。あんた、、俺は後悔だらけの人生だったけどよ。あんたは後ろは振り返らず、目の前の中華そばだけをしっかり見てるんだ」

私はその言葉に頷きます。決心ひとつに箸を割り、一心不乱に麺を啜ります。
f:id:hiroakies4463:20181113124216j:image

う、うまい!

全ての疲れが吹き飛ぶほどの旨さです。

なんだこれは。

実家に帰ったような懐かしさ、しかし初めて出会ったような新しさも感じる味。なんとも不思議なスープです。

「とんこつ、鶏ガラに…かつお節、さば節、煮干しの味もする。どういうことだ」

「動物系と魚系の和風スープを合わせたもの。それがダブルスープさ」

心まで温まる優しいスープに、うどんと中華麺の良さを合わせ持った自家製ちぢれ麺が絡みつき、旨みと共に口の中へと入ってきます。チャーシューはほろほろでメンマもうまい。魚介系スープがしつこさを感じさせないので、いくら食べても胃もたれしない。

気がつくとお皿が空になっていました。

隣を見ると、先ほどのお客さんはもういません。お礼を言いそびれたと思いました。しかしラーメンは旅の思い出、日常の友。いつかまたどこかで彼に出会えるだろうと、思うことにしました。全てのラーメンは青葉につながる、という言葉があるように…。ないか、そんな言葉。

のれんをくぐると、寒空の下「それが青葉だ。また来なさい」と聞こえた気がしました。また来よう、そう思いました。

今思うとあれは、青葉の妖精だったのかもしれません。

 

 

ま、何が言いたいのかと言うと、とにかくまた食べたい(笑)

並んででも食べたい、ということです。特に今の季節は。

 

 

では。

 

中華そば青葉の公式HPにようこそ!

 

youtu.be